三省堂 辞書を編む人が選ぶ「今年の新語2022」

三省堂 辞書を編む人が選ぶ「今年の新語2022」 街の話題

「今年の新語2022」大賞に選ばれたのは「タイパ」です。

ベスト10に選ばれた言葉には、実際に国語辞典を編んでいる編者が語釈を付しています。

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「今年の新語」とは?

「今年の新語」は、辞書のトップメーカーである株式会社三省堂がやっている企画です。

その年を代表する言葉(日本語)で、 今後の辞書に採録されてもおかしくないものを選定しています。

あくまで「今年とくに広まったと感じられる新語」ということで、必ずしも「今年生まれた言葉」とは限りません。その点が他社の企画と異なるところです。

新語の選定にあたっては一般公募を行い、応募総数は延べ1,041通(異なり673語)となりました。これらの投稿などをもとに、辞書を編む専門家である選考委員が一語一語厳正に審査し、「今年の新語2022」ベスト10を選定しました。

「今年の新語2022」ベスト10

三省堂 辞書を編む人が選ぶ「今年の新語2022」

大賞 タイパ

今回大賞に選ばれたのは、「かけた時間に対しての効果や満足度」「時間的な効率」などの意味で使われる「タイパ」です。

「コストパフォーマンス(コスパ)」をもじった「タイムパフォーマンス」の略で、数年前から見られるようになった語ですが、特に今年になってから用例が多く見られるようになっています。

実際に国語辞典を編んでいる編者が、腕をふるって国語辞典としての言葉の解説(語釈)を書くと、こんなふうになります。

三省堂 辞書を編む人が選ぶ「今年の新語2022」

シャープな語釈で言葉の本質をとらえる『新明解国語辞典』、シンプルな語釈で要するに何かがわかる『三省堂国語辞典』、高校生の自習を強力に支援する『三省堂現代新国語辞典』、いまの日本語の総体を映し出す[国語]+[百科]辞典の『大辞林』。それぞれの編集方針で異なる語釈の切り口と面白さが楽しめる点も見どころです。

2位 ○○構文

こうぶん【構文】〈名〉①文や句として成りたつように、単語などの要素を、文法的な決まりにしたがって、並べたもの。「―として成立させる・分詞―」②文章のひとまとまりを、ある方式によって作り上げたもの。「おじさん―・ご不快―」[用法] 「おじさん―」とは、おじさんのメールなどにありがちな、多くの絵文字や、親しげな言いまわしをちりばめた、長ったらしいものを話題にするときに使う。「ご不快━」とは、相手が不快になったこと自体を謝罪するだけで、その原因となった自分のがわの非については何も述べない文章について言う。
『三省堂現代新国語辞典』小野正弘先生

3位 きまず

き まず[(気まず)]-まづ ⦅感⦆ 〔←「気まずい」の語幹〕〔俗〕とまどうなあ。「『ライブ会場で会おうね』『―』」〔二〇二〇年代になって注目されたことば。それほど気まずくない場合にも使う〕
『三省堂国語辞典』飯間浩明先生

4位 メタバース

メタバース [3] 〖metaverse〗ネットワーク上に構築される、三次元グラフィックの仮想空間。利用者はアバターを操作し、仮想空間に参加する。
『大辞林』編集部

5位 ○○くない

く ない ⦅終助⦆ 〔←形容詞連用形をつくる接尾語「く」+形容詞「ない」〕〔俗〕同意を求める気持ちをあらわすことば。でしょう。くないか。くね。「だれでもできる―?・もう勝った―?」[丁寧]くないですか。〔二十一世紀のゼロ年代に報告があり、二〇一〇年代に広まったことば。二〇年代には「ありそうく見える」「できるくなった」など、「く」に肯定表現が続く形も注目されるようになった〕
『三省堂国語辞典』飯間浩明先生

6位 ガクチカ

がくちか【ガクチカ】〈名〉学生時代に、学業、サークル活動、アルバイトなどで、(とくに)力を入れたこと。多く、就職のための、面接の場面や、エントリーシート(=学生が雇用主がわに提出する身上書)で話題になる。《由来》「学生時代に力を入れたこと」の「学」と「力」の先頭二字を組み合わせて「ガクチカ」と略したもの。ひらがなや漢字では書きあらわされない。文や句がもとになったものとしては、ほかに、「鴨がネギを背負ってきた」→「カモネギ」、「あけましておめでとう」→「あけおめ」などがある。
『三省堂現代新国語辞典』小野正弘先生

7位 一生

いっ しょう[一生] [一] 生まれてから死ぬまでの間。生涯。「幸福な―・―のお願い〔=一生で一番大切なお願い。大げさに言うことも多い〕・〔副詞的に〕―忘れない・そんなにテレビが好きなら、―見ていなさい」[二] ⦅副⦆〔俗〕ずっと。「きょうはねむくて―ねてた」〔二〇二〇年代に広まった用法。現在や過去のことにも使えるところが[一]とちがう〕
『三省堂国語辞典』飯間浩明先生

8位 酷暑日

こくしょ び [3] 【酷暑日】一日の最高気温がセ氏四〇度を超える日の称。〔日本気象協会の用語〕
『新明解国語辞典』編集部

9位 闇落ち

やみ おち [0] 【闇落(ち)・闇《堕(ち)】―する(自サ)〔今まで道徳的品性を保っていた人が〕社会通念から外れる(外れた行いをするようになる)こと。「彼は陰謀論を信じ込み、―してしまった」[表記]「闇《墜(ち)」とも書く。
『新明解国語辞典』編集部

10位 リスキリング

リスキリング [3][0] 〖reskilling〗社会人が、ある職業に必要とされる技能の習得をあらためて行うこと。特に近年、別の職種に就く場合や同じ職種でもあらたな技能が必要とされる場合に、それらの技能を習得することを指していう語。
『大辞林』編集部

(余談)日経MJヒット商品番付も「タイパ」

2022年の日経MJヒット商品番付でも、東の横綱は「コスパ&タイパ」だそうです。

(余談)我が家は新明解でした

雑談なんですけど。

我が家にある、一番新しい辞書は「新明解」の大文字でした。

意外と高いです(※リンクはAmazon商品ページへのアフィリエイトリンクです)
(漢和辞典も買ってる自分偉い。)

でも、この記事を打っているときは、自分の家に「新明解」があるだなんて、全然思い当たらなかったです。日頃から全然開きませんし。そんなだから、最新版は第八版なのにウチのは第七版。使わなくてもったいないなあと思いました。仕舞いこまずに、日頃から手元に置いておこうかな…。

DATA

さらに詳しくは公式サイトでご確認ください。

三省堂 辞書を編む人が選ぶ「今年の新語2022」

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